出島戦略 実態と手法

出島戦略

「自社のビジネストランスフォーメーションを推進したいが、どう進めるのが正解かわからない」そんなあなたにお伝えしたい戦略の一つが「出島戦略」です。

本記事では、企業のビジネストランスフォーメーションを成功に導く術として知っておきたい「出島戦略」を解説します。同戦略が求められるようになった社会的な潮流に触れつつ、出島戦略の基本をご紹介します。そして、出島戦略を取り入れる際のヒントと留意しておくと良い点をご紹介します。

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1.「出島戦略」の必要性が提起される背景〜意識すべき重要なトレンド

出島戦略の基本と具体的な導入方法の前に、企業にビジネストランスフォーメーションが求められるようになった社会的な背景をご紹介します。

ビジネストランスフォーメーションが求められるようになった背景に「未来の不確実性の拡大」があります。不確実性の拡大要因としては ①指数関数的に発展しているコンピュータの処理能力 ②未知の自然災害の発生 ③社会変化による人々の行動変容 などが挙げられます。

未来の不確実性

(1)指数関数的に発展しているコンピュータの処理能力

一人一台スマートフォンを有することが当たり前となった時代において「アフターデジタル」と呼ばれる現象が起きました。これは、インターネットに常時接続されるようになったことで、情報のインプット・アウトプットがパーソナライズされた状態を指します。

別の視点でこの現象を捉えると、スマートフォンが人々に行き渡り、いつでもどこからでもインターネットにアクセスし、多様なデジタルコンテンツを楽しめるようになったことで、人々の時間の使い方と行動、しいては価値観が大きく変化している状態であることがわかります。

サービス事業者は、この変化に適応するために従来のマインドやマーケティング手法をアップデートする必要があります。「製品から体験にシフトする」といった、自社が提供できる価値を機能的価値から、体験的・情緒的価値提供に変化させるような活動が必要なのです。

(2)未知の災害の発生 / (3)社会変化による人々の行動変容

アフターコロナ

アフターデジタルの一例に加えて、最近では新型コロナウイルス感染症のような「未知の災害の発生」も、未来の不確実性の拡大に強い影響を与えています。

未知の災害は、人々の行動や価値観はもちろん、企業の事業活動も大きく変化させます。実際に新型コロナウイルス感染症の発生によって、これまで当たり前に捉えていた社会規範に未知の災害に対応できない脆弱性があることが明らかになりました。

企業はこうした未知の状況に対応するために、前例のない経営判断を早急に下さなければなりません。「ニューノーマルに対応する」ために、アフターデジタルによって生まれた事業の種を早急に検証し、可能性がある種を選び取り、事業活動に落とし込むことが求められているのです。

加えて、未知の災害をはじめとした社会的にインパクトの大きい出来事は、社会や企業、人々の価値観を変えます。実際に起きている変化として価値観が「自己利益」から「相互利益」にシフトしている潮流があります。最近注目されているSDGsなどは、まさに個人の利益ではなく、社会や地球全体の利益を追求した活動と言えるでしょう。

このように未来を簡単に予測できない環境において、企業が存続するためには「未来のビジネスとその市場」を探索し、既存の事業をトランスフォーメーションする活動が必要です。そこでおすすめしたいのが、企業のイノベーションを促進する「出島戦略」です。

2.「出島戦略」とは?

出島戦略とは何でしょうか。企業のビジネストランスフォーメーションに出島戦略が有効な理由についても解説していきます。

出島戦略とは、成熟した企業内にビジネストランスフォーメーションを起こすために、小さな組織を出島的に用意し、既存事業のアセットを活用しながら新しい事業を探索し、そこで得た知見を既存の組織・既存の事業に還元し改革を促す戦略です。

出島戦略が求められる背景として、新規事業やイノベーション活動を推進していく上で、既存の組織体制などが障壁となる場面が多いことが挙げられます。課題を解決する策として、新規事業の創造に特化した組織を本社の外に出島的に作り、既存事業と「中長期のビジョン」の間に生まれたギャップを埋めるための活動を、出島戦略では行っていきます。

2-1 . 中長期ビジョンの設定

出島戦略において、正しいビジョンの設定は必要不可欠です。企業は「未来のマーケットはどう変わっているのか(ビジョン)」を独善的に定義する必要があります。そして、そのビジョンに向けて、「社会と顧客はそこでどう在るのか」というシナリオを複数プランニングします。最後に「自分たちはそこでどう在るべきか(ミッション)」を設定します。

問いの設定

ビジョンには「正しい問いの設定」が必要です。問いの設定は、ビジョンと現状のギャップを冷静に分析するところからはじまります。あるべき姿(To-Be)と現在の姿(As-Is)を見比べて、課題設定をすることで、的確なメッセージを作ることができ、社内/外から共感/共鳴を図るきっかけを作れます。

2-2.現状分析と目指すは「両利きの経営」

成熟期の大企業であれば、ビジョンと現状のギャップを直視することでイノベーションの難しさを痛感するでしょう。しかし、これを嘆いてもなにもはじまりません。企業が目指すべきは既存事業と新規事業を「両利きで経営すること」だからです。

両利きの経営

両利きの経営とは既存事業と新規事業のバランスが取れ、相互作用によって新しい価値を生み出す循環が築けている状態です。既存事業と新規事業は「仕事への向き合い方」「向いている人材」「組織形態と評価方法」といった点で異なります。両者の違いを理解し、それぞれの目的・役割を的確なメッセージで社内にアナウンスすることが必要です。詳しくは『新規事業を成功に導く組織論』のホワイトペーパーをご覧ください。

イノベーションを推進するためには、決裁者の意識を改革する必要があります。企業でよく起こりがちな「イノベーション阻害要因」として、中間管理職と管理部長などの中間層にイノベーションに必要なリーダーシップが欠如しているといったことが挙げられます。

経済産業省が17人の経営者に対して座談会とインタビューを実施してまとめたレポート「Innovation100委員会レポート」でも報告されているように、中間層が持つべきマインドは「過去のロジックで判断せず、未来の可能性を広げるために小さなチャレンジを奨励し、そのための心理的安全性の高い環境を作る」です。既存の体制ではこうしたマインドを持つことが難しい現実がありますが、そんなときこそ「出島戦略」を導入しましょう。

出島の組織体制

キュレーションズでは、出島となる組織を「既存事業の運営に適した組織モデルから権限・人材・資金・技術・プロセスを持ち出し、イノベーションに適したかたちで本体から独立させた組織」と定義しています。

既存事業に適した組織モデルが「知の深化」に適応した文化・制度・体制であるのに対し、出島組織は「知の探索」に適応した組織モデルです。出島組織において求められる人材は、境界を超えて組織と個人の情報をつなぎあわせることができ、思索→直感→探索のループができる越境人材です。事業のステージに合わせて独自の経営戦略や組織戦略を採る必要があります。

出島戦略は「入島」のような働きも担っており、出島で得た事業実績や知見は本体にも還元する必要があります。最終的に、本体のビジネストランスフォーメーションやコーポレート・トランスフォーメーションを実現することで「出島戦略は成功した」と言えるでしょう。

3.「出島戦略」で採用すべき戦術

最後に出島戦略を自社に取り入れる際のヒントと戦術的なオプションをお伝えします。

BXの成熟度

(1) 社内ビジネスコンテスト(ステージゲート方式)

アイデア募集から顧客・課題ソリューションの実証を行い、事業アイデアの創出を狙うという活動です。顧客の声に耳を傾け、マーケットニーズを探りましょう。ただし、社内ビジネスコンテストから事業が生まれることはなく「人材育成のために行う」という点にフォーカスしましょう。

(2) 外部伴走パートナー企業の出島的活用

事業テーマや事業アイデアを元に、新規事業創出を狙うプロジェクトを、外部伴走パートナーをチームのコアに起き、推進しましょう。パートナー企業を出島に活用することで、プロトタイプの検証活動をスピーディに行うことができます。たとえば、新サービスのアプリケーションを開発する際に、通常であれば広報チェックなどに時間を要しますが、そうしたフローをスキップできます。

(3) スタートアップとの協業

スタートアップのサービスを既存事業部門によって活用することで、既存事業の攻めのDXを実現できます。それにつながる関係性構築や強化のためのスタートアップ投資やVCへのLP投資を含んでいます。

(4) 出島組織の立ち上げ(社内アクセラレーター+CVC※)

社内事業を推進するために、アクセラレーター的事務局を中心に、出島組織を作りましょう(一国二制度)。そして、それを加速するためにCVCを併設します。スタートアップ同様の投資活動ができる組織を編成する必要があります。 ※コーポレート・ベンチャー・キャピタル

(5) イントラプレナーによる新規事業の推進

外部パートナーやアクセラレーター的な事務局といった制度を必要とせず、社内から自然とイノベーションが生まれる状態です。文化・制度・事務局体制・人材育成などが全て揃った状態です。この状態は言い換えると「出島」が不要であるという状態でもあります。

上記の出島戦略の5つの戦術的なオプションは、企業の組織体制や事業の状況に応じて選択する必要があります。会社の状況は「ビジネストランスフォーメーション成熟度」によって、7つのステージに分類できます。

最後に、出島戦略の策定とは、目指すべき未来(ToBe)を見定め、現状を客観的に正しく認識し(As-is)、打つべき戦術を選定することです。もしあなたが本気で自社のビジネストランスフォーメーションに取り組みたいなら、目指すべき未来と現状のギャップをしっかり言語化し、なぜ出島戦略に取り組む必要があるのか明確なビジョンで打ち出し、社内の理解を得ながら改革を進めていきましょう。

4.ビジネストランスフォーメーションならCurationsへ

Curationsサイト キャプチャ

Curations株式会社はビジネス・トランスフォーメーション”を通じて、ビジネスモデル変革の一歩目となる事業を生み出すプロフェッショナル集団です。“既存事業のアセットと攻めのDXによる新しい収益の創出”を可能にする独自メソッドと、”人材や連携企業のキュレーション“による最適なチーム編成でプロジェクトを成功に導きます。私たちとともに、よりより未来を実現していきたい方は弊社サイトよりお問い合わせください。

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「イノベーションを成功させたいが、どのような戦略をとればいいのか分からない」
「出島戦略に興味があるが、一歩踏み出す勇気がない」

漠然と不安を抱えながら会社の目標に向かっていく経営者、役員、担当者は少なくないのではないでしょうか。

本ペーパーでは、企業のビジネストランスフォーメーションを成功に導く術として知っておきたい「出島戦略」を解説します。同戦略が求められるようになった社会的な潮流に触れつつ、出島戦略の基本をご紹介します。出島戦略を取り入れる際のヒントと留意しておくと良い点もご紹介します。 

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