新規事業に取り組むべき領域を見極める-「BX」に繋がる事業を考える

不確実性が高く、既存事業の存続が危ぶまれる時代になったことで、企業は変化に適応するために新規事業に力を入れ始めています。CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の設立やスタートアップへの出資、アクセラレーションプログラム運営、社内ビジネスコンテストの実施など、さまざまな施策を通して新規事業の創出に挑戦しています。これらの施策は大切ですが、実行に移す前に新規事業担当者が考えるべき重要なことがあります。それは「自社が取り組むべき事業の見極め」です。

市場が存在しない未知の領域、成長中の領域、自社にシナジーのある領域など、どの領域で新規事業に取り組むべきなのか方向性を決めた上で、事業創造に取り組むことが重要です。成熟市場、新興市場、未知の市場などがある中で、企業が取り組むべき領域は「既存事業とシナジーがある」かつ「自社の事業や組織構造の変革を起こす領域」に挑戦すべきだと私たちは考えています。

この記事では、企業が新規事業として取り組むべき領域の見極め方と事業創出を通じてビジネスに変革をもたらす「BX(ビジネストランスフォーメーション)」の考え方についてご紹介します。

1.取り組むべきは「飛び地」となる新規事業

新規事業に取り組む上で、私たちは市場と製品の2軸を用いて6つの領域に企業の事業を分類しています。

①既存領域
②改善領域
③染み出し領域
④はみ出し領域
⑤飛び地
⑥ド新規

「既存領域」は製品と市場ともに既に存在し、自社が既に取り組んでいる事業領域を指します。「改善領域」は、既存事業を改善していくことで到達できる領域です。「染み出し領域」は自社が営む製品/サービスの周辺に存在する製品となります。既に製品が存在し市場がある領域のため、参入を意思決定すれば顧客が既にいる領域となります。はみ出し領域は新市場や新製品となる領域を指します。このうち新製品と新市場に類する右上の領域が「新規事業」と呼ばれる領域となります。

また、新規事業は2つに分類されます。1つは飛び地事業、もう1つはド新規の事業です。この2つを分ける要素は「自社との関連性」です。飛び地はその名の通り、自社に関連があるが挑戦の要素が多い領域となります。アセット、ノウハウ、人材などを保有するため、新規事業の中でも参入しやすい領域です。もう1つのド新規の事業は自社に全く関連性がない領域であり、アセット、ノウハウ、人材のいずれも欠けています。そのため挑戦には大きなリスクが伴います。「飛び地」と「ド新規」のどちらを企業は取り組むべきなのでしょうか。

2.大企業が取り組むべきは「飛び地」となる事業

「飛び地」と「ド新規」、2つの領域のうち、大企業が取り組むべきは「飛び地」に属する新規事業です。

「ド新規」の領域は大きなリスクを伴います。変化の激しい時代において、既存事業の存続すら危ぶまれる環境にある中で、市場も製品も存在せず、知見のない領域への挑戦はプロジェクトの長期化やコストの増大により、売上創出に至らず撤退する可能性が非常に高くなります。

「飛び地」となる事業では企業が既に持つアセット、ノウハウ、人材を活かすことができます。そうすることで、安く、速く、成功確度の高い事業創出を見込むことが可能となるのです。

「飛び地」となる事業への挑戦では革新的な事業が見込めない、イノベーションを起こせないのではないかと考えられる方もいるかもしれません。しかし、私たちは「既存のアセットを活用することによってイノベーションは起こすことができる」と考えています。これこそが企業に「ビジネストランスフォーメーション」を起こす鍵であると考えています。

「ビジネストランスフォーメーション」とは、「顧客行動の変化を捉えて、将来的に既存のビジネスモデルを変革するためのトリガーとなる事業を、自社のアセットを活用して創造すること。そしてその過程で自社事業や組織も変革すること」を意味します。例えば”ビデオレンタル屋”であったNetflixが「映画を扱う知見」をアセットとして活用し、ストリーミングサービスに変化したようにです。



「ド新規」といわれる領域は、全く未知数で不確実性も高く、リスクも格段に大きいため、挑戦した結果のリターンも約束はされません。成熟事業を持つ大手企業が「ド新規」領域に興味を持った際は、ベンチャー・キャピタルへのLP出資やスタートアップへの直接投資を行うことで関わりを持つことを私たちは推奨しています。

3.新規事業を「SPC」の観点から考える

では自社との関わりが高い事業はどうすれば構想できるのでしょうか。自社や社会にとってインパクトのある事業をどのように見極めるべきなのでしょうか。「飛び地」となる事業であったとしても、事業の実施可否を行うための判断基準がなくては事業構想はできません。そこで新規事業の構想に役立つ「SPC」と私たちが呼ぶ3つ観点についてご紹介します。

1つめの観点は「未来への意思:Lead the Self」です。新規事業の当事者はどのような未来を創造したいと考えていますでしょうか。信念、価値観、哲学をまずは見直してみましょう。そして、興味関心、情熱の対象が何なのかを探りましょう。

実際に新規事業の見極めが済み、初期のチームが構成される際も未来への意思は重要となります。実際は、他部署からの兼務や上司からの特命で働く人が多いかもしれません。それでもなお、事業に取り組む個々人が未来に対して明確な意志を持つことは、事業の推進や成功の大きなトリガーとなります。新規事業は不確実性が高く、失敗の可能性が高い領域です。だからこそ、チーム一人一人の未来に対する意思が重要なのです。

2つめは組織の使命(Lead the Corporate)です。所属する組織やチームの理念、ミッション、ビジョン、バリューは何でしょうか?あなたが組織に属して働く以上、組織の方針に従わなくてはいけません。時に組織の使命は新しいことに挑戦する制約となることもあるかもしれませが、新規事業の構想において「組織の使命」は制約ではなく事業構想のタネとなりえます。

すなわち「組織が成し遂げたい世界、そしてそれを実現するサービスやプロダクトの方向性」を決定する基準として「組織の使命」を捉え直してみましょう。「組織の使命」を達成するために必要なものは必ずしも既存事業だけではありません。他のアプローチやアイデアがあるのではないか、と探索を始めることで、きっと新規事業のタネが見つかり、あなたの組織が取り組むべき新規事業が何かが明確になるはずです。

3つめは顧客の幸せ(Lead the People)です。新規事業に取り組む当事者の未来への意思と組織の使命のみで、新規事業を構想してはいけません。個人起点、企業起点で考えた事業アイデアは時として顧客が本当に求めるものと乖離することがあります。そこで改めてあなたが今向き合っている顧客は誰なのか、その顧客は何を考えて行動しているのか。そして顧客がどうすれば幸せになるのか考えてみましょう。

もし想像はできるが現実の声はわからないというのであれば、実際に顧客に聞いてみましょう。顧客の声を聞き、彼らが望むものを発見すること、そしてあなたが持つ未来への意志と組織の使命が重なるポイントにこそ、取り組むべき新規事業のアイデアがあるはずです。顧客が本当に求めているものにフォーカスすること。時には、既存事業とカニバリゼーションを起こしてもっても(衰退させることを加速させても)、真に顧客の幸せを追求した先にイノベーションを起こすことです。ビジネスとは売上をあげることではなく、顧客を幸せに導いた結果として対価(=金銭)を受け取ることとして捉え直し、「顧客が本当に欲しいものは何か」を問い直し、直接彼らに聞いてみましょう

4.さあ、ビジネストランスフォーメーション起こそう

今回は大企業が取り組むべきは新規事業は「飛び地」と呼ばれる自社にシナジーが見込めるもの、将来的に自社事業や組織の変革につながる(ビジネストランスフォーメーションに繋がる)ものであること。そして「飛び地」となる新規事業の構想は未来への意志、組織の使命、顧客の幸せの3つの観点から考えることが重要であることをご紹介しました。

変化の激しい時代とは、顧客が望むものが移ろいやすいということ、そして技術の進化が速いことにより事業環境の変化が激しくなっていることを意味するとわたしたちは考えています。この変化に適応するには顧客の声を聞くこと、そしてあなたの組織がどのような未来を想像したいのか明確にすること、そしてリーダーシップを発揮し組織を導いていく存在にあなた自身がならなくてはいけません。

面白い、革新的だと思われるアイデアに飛びつき、新規事業を起こすのではなく、あなたやあなたの組織が作りたい未来であること、何より顧客が確かに望むもの、この3つの観点から新規事業を構想することで、成功確率は高まるとわたしたちは考えています。

あなたの「未来への意志」や「組織の使命」を言語化し、見つめ直すことはきっとできるはずです。一方で、顧客の声を聞くこと、彼らの声の中にどのようなニーズがあるのか見極めることは困難かもしれません。そんな時は、ぜひ私たちにお声かけください。私たちは顧客の声を聞き、あなたやあなたの組織の使命を実現できる事業を考える理論と実績をもっています。Curaitionsには、より良い未来を想像するプロフェッショナル集団です。わたしたちと共により良い未来を創造しましょう。

5.ビジネスモデル変革ならCurationsへ

Curationsサイト キャプチャ

Curations株式会社は新規事業開発に特化したスペシャリスト集団です。顧客の声を聞き、自社のアセットを活用することで、革新的ビジネスモデルの創出と企業のビジネスに変革を起こすサポートいたします。私たちとともに、よりより未来を実現していきたい方は弊社HPよりお問い合わせください。

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