新規事業の組織論-Thinker、Cather、Doerが新規事業を成功に導く

本格的に新規事業に取り組むにあたり最大の壁となるのは、組織体制です。当事者となって新規事業を推進するチームメンバーやリーダーの選定だけでなく、チームを支援する本社側の体制構築も考えるべきポイントです。

大企業の新規事業は成功と成長だけがゴールではありません。新規事業を通して得た新しい情報、技術、人脈を生かし、既存事業や組織全体の変革につなげることも重要なゴールの1つです。この役割を担うのは経営層や各事業部のトップです。新規事業と既存事業、双方の知見をもとに事業や組織の将来を考えるには彼らの視座や知見が必要となります。そこで、この記事では新規事業を行うにあたり組織体制をどのように構築すべきかについて紹介したいと思います。

1 新規事業の3つの役割 – Thinker、Doer、Catcher  –

新規事業は実行を担うチームだけで推進していくものではありません。新規事業担当者が得た知見を本社に持ち込むだけでなく、既存事業とのシナジーを生むための社内調整、それを再び新規事業にフィードバックする役割など、全社的な体制構築が必要となります。

ではどのような体制が望ましいのか。私たちの答えはThinker(シンカー)、Doer(ドゥアー)、Catcher(キャッチャー)の3つの役割が必要であるというものです。

Thinkerは新規事業の情報や既存事業の現状を合わせて、会社全体の今後のビジョンや新規事業の目指すべき方向性、事業ポートフォリオを考える役割を担います。また、会社の方向性に適した新規事業が創られるように、新規事業が抱える課題や進捗状況を本社に共有するとともに、新規事業のチームを支援します。Thinkerは会社の役員や既存事業内で影響力のある人物、部署としては経営企画部門の人が適任です。

Doerは「新規事業に取り組むチームやそのメンバー」のことです。新規事業を成功させるための探索活動や企画、実行作業を一手に担います。Doerが持つべき要素についてはこの記事の次の章「新規事業のチームを考えるコンセプト」で紹介しますので、ここでの説明は省略します。

最後に紹介するCatcherは、Doerが産んだ事業に対して、既存事業のノウハウを組み込むことでさらなる成長に貢献していく役割です。既存事業と新規事業がシナジーを産み、事業を次の成長の柱へと繋げていく重要な役割を担うのがCatcherです。

Thinker、Doer、Catcher、この3つの立ち位置と役割を明確化することが新規事業の体制構築の最初に取り組むべきことです。

また新規事業が自社の将来に結びつくかどうかをThinkerが判断できるように、Catcherは組織内に情報を共有しなくてはいけません。Doerの取り組みが組織の未来に関係ないとThinkerが判断すると、その新規事業は失敗とみなされる可能性もあります。新規事業は実行するDoerのチームだけが重要ではなく、CatcherやThinkerの存在も同じく重要となります。新規事業はまさしく全社的に取り組むべきプロジェクトなのです。

2 新規事業のチームを考えるコンセプト

組織体制の整備を終えたら、いよいよ新規事業のチームの構築方法について考えていきます。結論を先に書くと「このようなチームがよい」といった基準や「新規事業に適した人材」に明確な答えはありません。企業の文化や人材、取り組む事業領域によって、最適となるチームや人材は異なるからです。

最適解となる答えはありませんが、新規事業の成功確率を上げるために最低限意識すべき要素はあると私たちは考えています。そこで、これまで私たちが新規事業をサポートしてきた経験から抽出したチームや人材について考える際に役立つコンセプトを紹介します。そのコンセプトとは多様性、心理的安全性、ネットワーク構築、コミュニケーションの4つです。

○多様性

多様性はその名の通り、チームを構成する人材に多様性をもたらすというものです。年齢、性別、価値観、行動様式、経歴などが異なる人材を結集することが重要です。

例えば、インタビューを通じて顧客から得られた情報からインサイトを抽出する際に、チームの多様性が活きます。顧客は自分が本当に欲しいものを知りません。また、彼ら自身が新規事業のアイデアに繋がるようなインサイトを自ら語ることはありません。インタビューで得た事実情報からインサイトを抽出できるか否かは、新規事業のチームの手にかかっています。その時、様々な背景を持ち合わせたチームがいれば、顧客の声をさまざまな角度から読み解くことができます。チームの多様性は新規事業をあらゆる角度から検討するために重要な要素であるということです。

○心理的安全性

2つめは心理的安全性です。心理的安全性は「1人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態」のことを指します。新規事業の挑戦は失敗や予想外の出来事に遭遇する機会が頻繁に発生します。むしろ、失敗を通じてしか学びは得られないという姿勢で、積極的に挑戦していく姿勢が必要になります。

この姿勢を身につけるためには、物事に否定的・批判的ではなく、積極的に挑戦し続けられるような文化をチームで構築することが必要となります。

心理的安全性を作るメンバーをアサインするだけでなく、チーム全体で心理的安全性を保ち、事業に臨むために何ができるかを考え、環境を整備した上で積極的に挑戦できる文化を作る意識を持ちましょう。

○ネットワーク構築

3つめはネットワーク構築です。新規事業のアイデアはこれまで交わらなかった産業、セクター、組織との交流によってもたらされます。時に、事業やチームが抱える課題を解決に導く情報や技術を得ることもできます。アイデアや課題解決のヒントは組織の中でなく外にあるという意識を持ち、異分野や外部の人間と積極的に人脈を形成していきましょう。

人脈が多いメンバー、ネットワーク構築能力に長けた特定の人材をアサインすることももちろん重要ですが、チーム全体として積極的にネットワークを構築する重要性を認識し、自ら積極的に外部と交流する意思を持つことが不可欠です。

4つめはコミュニケーションです。新規事業に取り組むチームは各々が活動する中で知見を発見する機会、活動の中で課題を発見する機会が加速度的に増えていきます。よって、得た知見を適宜チーム間で共有することが必要となります。

コミュニケーションスピードの向上を意識することはもちろん大事ですが、情報共有するためのミーティングの設定、ツールの活用やルールの整備などにも取り組みましょう。これによりコミュニケーションの無駄が限りなく縮小されます。

特に既存事業から抜擢され、新規事業にアサインされたメンバーが多い場合は、所属していた部署のコミュニケーション方法を一度捨てる意識が必要です。どのようなコミュニケーションスタイルで、新規事業に取り組むべきかについて0からルールを構築し、チーム内で共通認識を持つことが新規事業の推進スピードに直結します。

3 新規事業には、新しい価値観とチームで臨め

この記事では次の3つのことについて紹介してきました。

・新規事業への挑戦は全社的に体制を整備すること
・その上で多様な特性をもった人材を新規事業のチームにアサインすること

・4つのポイントを意識し、チームとしての共通の価値観を築いていくこと
自分たちが今まで普通だと思っていた考え方や行動様式を手放すこと、そして新規事業を創造するための価値観を0から構築し行動していくことは関わる全ての人がやらなくてはいけません。

新規事業という0→1に挑戦することは、価値観や行動も0にリセットすることと意識し、常に失敗から学ぶ姿勢を忘れないようにしましょう。

もしあなたが新規事業に関連する人で、組織体制やチームの作り方、どのような人材をチームに招き入れれば良いかわからないのであれば、ぜひ私たちにお声かけください。あなたの組織に適した体制、チームを作り、人材をアサインするサポート、また新規事業に特化した人材育成をサポートします。

未知の分野への挑戦だからこそ、外部の専門家を適切に使うことが重要です。その最初のメンバーとして、ぜひ私たちCurationsをご指名下さい。あなたの新規事業への取り組みを全力でサポートいたします。

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Curations株式会社は新規事業開発に特化したスペシャリスト集団です。顧客の声を聞き、自社のアセットを活用することで、革新的ビジネスモデルの創出と企業のビジネスに変革を起こすサポートいたします。私たちとともに、よりより未来を実現していきたい方は弊社HPよりお問い合わせください。

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